成長し続ける組織の本質 第4回「よく育つ組織には何が重要なのか?」

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第4回 よく育つ組織には何が重要なのか?

安本隆晴(公認会計士/税理士/株式上場コンサルタント)

早稲田大学商学部卒業後、朝日監査法人(現:あずさ監査法人)、株式会社ブレインコア取締役を経て、安本公認会計士事務所を設立。現在、株式会社ファース トリテイリング、アスクル株式会社、株式会社UBIC等の監査役を兼任。また、『ユニクロ監査役が書いた 強い会社をつくる会計の教科書』『ユニクロ!監査役実録』等、多くの著書を執筆。現在、公認会計士・税理士、株式上場コンサルタントとして活躍している。

2013年、経営顧問に就任。ZEPPELINの中長期的ビジョン実現に向け、企業価値向上に必要な会計思考を軸として、経営戦略や組織体制の構築・運用などの経営基盤の強化を陰で支えている。

− 夢と仕組みをもつ

鳥越
ZEPPELINと安本先生との出会いは2年ちょっと前になりますね。
安本
そうですね。
鳥越
まさにさっきおっしゃっていた、
ZEPPELINに経理がいない、仕事のフローもない、という状態のときに、
安本先生がちょうど
『強い会社をつくる会計の教科書』という本を出されていて。

読んだらもう、
ZEPPELINがやるべきことがすべて書かれてたんですよね。
当時いたクルー全員に「これすごいから読んで!」って、
アルバイトに来ていたメンバーにも渡したのを覚えています。
安本
ありがとうございます。
鳥越
それで、最後のページを見るとメールアドレスが書かれていて、
もう、送るしかないと思って。
自分の感情が伝わらないと駄目だと思って、
結構長い文章でAppleとか世界の名だたる企業を超えたい
という思いを一生懸命書いたんですよね(笑)
安本
今さらっとすごいことを言いましたけど(笑)
鳥越
30分でも10分でもいいから会わせてくださいって。
すると「会ってもいいですよ」みたいなメールが返ってきて、
本当に嬉しかったですね。

安本先生の事務所で初めてお会いしたときに思ったのが、
なんか初めて会った気がしない、というか。
安本
ひょっとしたら江戸時代に会ってたんだ。
鳥越
そう(笑)
不思議な感覚の中お話しをして、
なんとかZEPPELINを面倒みてもらえないでしょうか?って
話をしたんですよね。

ただ、ひとまずは印象に残ればいいなと思って考えたときに、
ビル・ゲイツとかスティーブ・ジョブズのストーリーを
思い出したんです。
彼らは、レストランの紙ナプキンに、
そのときのビジネスのことをメモして相手に渡したりとか、
それを証拠として取っていたみたいなストーリーがあるんですよね。

それを活かして、わたしも紙ナプキンに3つだけ書いて、
安本先生に伝えようと思って。
胸ポケットに隠しておいて…出したんですよね。
安本
なんか手品師かと思った。
鳥越
(笑)
1枚目には「インターフェース」2枚目には「1.3倍」
最後の紙には「30兆円」って書いて、プレゼンしたんです。

毎年1.3倍の成長を続けると、
実はたった20年くらいで売上げが30兆円に届く。
自分たちはこの成長を続けたいんです、とお伝えしたんですよね。
その後、何度か食事したり…
安本
そう。それで、僕がオフィスに訪ねて行ったんですよね。

マンションの狭い部屋を2つか3つ借りて、
みんな一生懸命、Appleのコンピュータでいろいろやってましたね。
みなさんと話したり、食事したりとかね、
僕も絵を描くのが大好きなので、時々いたずら書きとかもしましたね。
鳥越
安本先生って、お世辞抜きですごく絵がうまいですよね。
安本
早く画家になりたいんですけど(笑)仕事を辞めて。
鳥越
ええっ(笑)

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鳥越
最初にお会いしたときから、何か印象は変わりましたか?
安本
あんまり変わんないですね。なんて言うのかなあ…
すごい夢見る少年みたいな。
もう1つは、なんか宇宙人っぽいっていうか。

鳥越社長に最初に会った時に、
考えていることがきっと相手に伝わらない人だろうな、
と思ったんですよね。
ただ、面白いことを考え出すのはたぶん間違いないので、
それを助けてあげられるような仕組みとか組織を彼の下に作れば、
なんか面白い集団になるだろうな、と思っていましたね。
今、それにだんだん近づいていますよ。
鳥越
安本先生のおかげで近づいてきましたね。
やっと一歩を踏み出し始めたみたいな感じです。
安本
でも本当、2年ちょっとですけど
他人に明かせないようなことも何度も経験してきました(笑)
鳥越
そうですね(笑)
安本
ちょっと話が戻りますが。今後の会社の成長を考えると、
まずは社内で納得感、共感を増やすことは絶対必要ですよ。

社長は3年後5年後10年後…っていう将来を見ているけれど、
部下たちが見ているのは目の前の仕事なので。
部下たちがどれだけ納得感を持って共感してくれているかが、
会社の5年後10年後の成長に繋がっていくと思います。
鳥越
そうですね、意識していかないといけない点ですね。

− あるべき姿の組織図を正確につくる

鳥越
組織ってよくも悪くも育つものだと思いますが、
よく育つには何が一番重要なんでしょうか?
安本
まずやっぱり経営者がしっかりしていますよね。
将来のビジョンとか夢みたいなものをしっかり持っていて、
それに対して具体的な目標がはっきりしている。
そうすると、それに応じた戦略や戦術ができるじゃないですか。

ただし、ビジョンと目標がズレていると全然駄目ですけどね。
鳥越
はい。
安本
戦略のところまで下りてきたら、その戦略が本当に正しいかどうか、
この方向性でいいかどうかって検討しますよね。
それを今度、機能的に何が必要か?っていうふうに
ブレイクダウンしていくと、その機能というのは結局仕事の塊なんです。
鳥越
なるほど。
安本
例えばユニクロの場合だと、多店舗展開したい衣服の小売業ですよね。

1990年当時、何が必要だったかというと、
商品を仕入れる商品部門、
それを店頭で売るために店舗運営を統括する営業部門、それから、
どこにお店をつくるかや、地主さんとの交渉をする出店開発部門、
そして、これら3つの部門を管理監督する管理部門という
4つの本部が最低限必要でした。

もちろん、マーケティングとかデザインとか、生産とか物流とか
他にも必要な部門はありますが、
当時一番必要だったのはこの4部門だったんですね。

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安本
そして、部門ごとに仕事を書き出していくと
1部門に100個位仕事が出てくるので、
そこに、現在の担当者を当てはめていくんです。

するとどういうことが起きるかというと、
人がいないということなんですね。
人がいなくて仕事をやってないということが、
中小企業では起こりがちなんです。
このやってない所を、いつ誰にやらせるのか?人を採用するのか?
っていう組織図を作っていくんですね。

そういう組織図を正確に作り、仕事が全部うまく回っている会社は、
よく成長します。良い成長を遂げると思っています。
鳥越
そうか。ZEPPELINも今またつくるタイミングかもしれないですね。
もう少しブレイクダウンして、あるべき姿を描いて。
そうすることで今後必要な人材が明確になってきそうですね。
安本
組織が目指している、やらなければいけないミッションと、
それぞれの社員が自分のミッションと感じているものが、
合致するとすごいですよね。
お互い納得の上でいろいろ仕事ができるから、たぶん成長が早いし。

風通しがいい会社は、部下だろうがいろんな上層部と話ができて、
仕事もすぐに流れていく。そういう姿が一番いいと思いますね。
生まれて成長して成熟していく…組織って本当に生き物だと思いますね。
鳥越
そうですね。

− 変化を察知し対応できる組織である

安本
生物学者のダーウィンの本の中に書いてありましたけど、
強い生き物が生き残るのではなくて、
環境変化に対応して自らを変えられる生き物だけが生き残ってきた、と。
これはまさに企業も同じことが言えると思うんですね。

変化を察知して対応する仕組みみたいなものがないと駄目だと思います。

組織をどうやって作り直していくか。
1年経つと、たぶん去年作った組織とは違うと思うんですよ、
必要とされるというか、あるべき組織像も変化すると思うんです。
それを見直していかないといけない。
大企業がみんな足踏みするのはそこなんですよ。
組織が大きいからすぐに変えられない…
でも、変えちゃえばいいんですよ、思い切って。
鳥越
自然界を見ていると、
環境の変化に合わせて自分たちを変化させるっていうのと、
もうひとつ、
自分たちの役割が明確になっている必要があるのかなと思いましたね。
何でもやろうとすると、
変化しようにも司令塔がいっぱいになっちゃって、
たぶん変化し辛くなるんじゃないかな、と思ってるんですけど。
安本
それはたぶん、課長とか部長が、
自分たちの周りで起きていることが
自分だけの判断で正しくなければ文句や不平不満を言うみたいな、
それに近いものだと思うんですね。
つまり、部分最適を目指しちゃってるんですよ。

会社全体の全体最適になるかどうかということが、
会社がどっちの方向に向いた方がいいかっていうことと
一緒だと思うので、部分最適はやめて、
全体最適をみんなで考えるっていうふうにした方がいいと思いますね。
ZEPPELIN Inc.

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