デザイン視点で考える:IoTで実現する未来の体験とは(後編)

こんにちは。ZEPPELIN代表の鳥越です。

前編ではテクノロジーの観点からIoTについて触れましたが、後編はIoT時代のUX(ユーザー体験)について考えたいと思います。

ー 「IoT時代のUXって何だろう?」

ZEPPELINで行っている思考の起点にあるのは常に「体験性」です。 「人ってどういう風に感じるもの?」 「生まれながらに持っている欲求って何だろう?」 という具合に、まずは人間が生まれながらにして感じる「体験性」から考え始めます。

なぜなら、モノやコトを通して五感に受ける刺激、そこから生み出される体験性を明らかにしていくことで、人々が本当に求めているもの、これからの時代に必要なものが見えてくるからです。IoTの場合で言うと、テクノロジー自体も重要ですが、テクノロジーがあった際に起こる体験が最も重要、ということになります。 「いつでも自然な姿で操作できる」体験 IoT(コンピューターがどこにでもある世界)が浸透した世の中で、私自身がつくりたい体験をひとことで言うと「いつでも自然な姿で操作できる」体験です。

今、私たちの身近にあるテクノロジーを考えると、PCやスマホ、タブレットがありますが、私たちは、それらのデバイスに合わせて自分たちが姿勢を変える必要があります。

PCの前で背中を丸めて操作したり、スマホをポケットからいちいち取り出して、小さな画面に向かってずっと下を向いていたり…あまりにも慣れすぎてしまい気付かなくなっているかもしれませんが、そのような使用中の姿勢には弊害が生じています。たとえ身体に負荷のかからない姿勢を意識していたとしても、それを維持し続けるのは難しく、いつの間にか様々な苦痛を溜め込んでいってしまっているのです。現代人のデスクワークによる肩こりなどはその最たる例だと思います。

それがもし、すっと背筋が伸びたままの姿や、自然と楽な姿勢でコンピューターに触れる事ができるとしたら、どんなに心地良く、気持ち良いでしょう。 日常に自然と溶け込むIoT時代のテクノロジー ーそのコンピューターは、自分がいる場所を感知してインターフェースをその場の環境に応じて表示してくれます。自分の気配を察知した時に、適切な場所に適切なタイミングで現れます。もうスマホを開く事もなければ小さい画面に目を凝らす必要もありません。大きさもその時の状況に応じて表示を自動で調整してくれます…ー

こんな風に、これからやってくるIoT時代のテクノロジーが、人類がより自由で快適に情報へアクセスできる形になっていると、とても気持ち良い体験を生み出せると思っています。

今は便利さや情報の有用性などの理由から、PCやスマホに合わせて私たちが向き合っている状態ですが、俯き加減ではなく、より自然な姿勢や姿、周囲と自然にコミュニケーションをとれる状態で使えるようにしたい。IoT時代におこしたいのは、そんな体験です。

今はまだ、IoTに対する世の中の認識も在り方も漠然としていますが、「自分の身の回りのどこにでもコンピューターがあって、自分の状態に合わせて自然に情報を提示し受け取ってくれる。その時、どのような生活になると良いのか。」そんな発想から考え始めると、ワクワクして、近い将来の生活として楽しいイメージが浮かびませんか?

IoTで実現できる未来の体験とは、身体ごとテクノロジーに向き合うこと無く、いつでも自然な姿・日常の動作の流れの中に溶け込む体験、より人間らしい生活へと繋がる体験なのではないでしょうか。

iot

鳥越 康平

鳥越 康平

http://zeppelin.co.jp

京都工芸繊維大学、工芸学部造形工学科卒業後、韓国サムスン電子にてデザイナーとして携帯電話などの最先端機器の開発に従事。帰国後2005年10月にZEPPELINを設立。

鳥越 康平 の記事一覧

RECOMMEND

View all