UXなんて、当たり前のはなし。第6回「JARVISプロジェクト」

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第6回 JARVISプロジェクト

田子學(アートディレクター/デザイナー)

株式会社東芝デザインセンター、株式会社リアル・フリートを経て、2008年株式会社エムテドを立ち上げる。現在は幅広い産業分野のデザインマネジメントに従事。デザインを社会システムの一部として大いに活用してもらうことをモットーに、様々な要素の関係性を統合的に捉えた戦略によって、個別最適化ではなく全体適正化が成り立つコンセプトメイクからブランドの確立を視野にいれてデザインされています。
GOOD DESIGN AWARD、red dot design award、JDCAデザインマネジメント賞など受賞作品多数。
現在は、慶應義塾大学大学院SDM研究科 特任教授、法政大学デザイン工学部 非常勤講師、東京造形大学デザイン科 非常勤講師を務められています。

鳥越これまでに、JARVISプロジェクト※で何度も話をしてきていますが、
JARVISプロジェクトに興味を持っていただいたきっかけなど教えていただけますか?

田子きっかけ…

僕自身としては、インターフェースというのは、別に中身とか外身とか区別の問題じゃなくて、全部伴っていないと駄目だと思うんですよ。

だけど現状、外身だけで終わってたり、
中身だけで終わってたりみたいな世界がまかり通っている。
そんな中で、最近中身を作っていた人たちが外身を作るという…
この現象って、すごく真っ当な話だと思うんです。

日本にありがちなのは、外身は優秀なんだけど、中身がチープというケース。

この理由は、「中身を正確に分かってないから」だと思ってます。
中身を知らないからというか、実際に中身を作っている人たちが、外身であるハードウェアをやっている組織にしっかりといるのかというと、いない、という話なんですよね。

鳥越成る程。

田子ほぼ、外注しているケースが多い。
外注して作ったものを中に入れているだけ…だから両方伴わないんですよ。

本当だったら、
Appleみたいに、中も外もっていう風に、両方走ってないといけない。
ところが、日本の性格上、ハードウェアが伸びすぎて、
いつの間にかそれに胡座(あぐら)をかいて、
「外は完璧に作られているから、
中は取りあえず機能が動く何か入れておけば良いんじゃない?」
みたいなノリになってしまっている。
だから、全然プロダクトとして浮かばれない世界があるんです。

だけど、今は時代が変わって、
ソフトウェア系の開発が優れていれば優れている程、物を作る必然性が見えてきている。

「やっぱり体験って画面上だけじゃないよね、声だけじゃないよね、
もっとフィジカルなものも必要だよね」…という風に感じるわけです。
だからソフトハードという偏った思考ではなく、トータルのデザインアプローチがとても重要なんですよね。

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田子たとえば北欧では、ちょっと前までソフトウェアメーカーだったところが、とてもクールでハッキングできるハードウェアを作り始めた、なんてケースが多くあります。

こういう現象は、やっと、日本でも起こり始めている。

以前、講演依頼を受けた企業のひとつに、
ネットワークインテグレーターがありました。
国内でも最大級であるその会社から声をかけていただいたときに、
どうして呼んでいただいたのか尋ねると、
『実は、サービスを形にしたいので、プロダクト部門を昨年開設しました』
という返答。
こんなことが今おきてるんですよね。

だから、今まで、中の事に対してクリエイティブを発揮していた鳥越さんが、
中身に対して伴った外身を、ちゃんと作りたいという思いを持たれるのは、すごく真っ当な話で、それをトータルでどうやったらデザインできるか?という視点にとても共感したんです。
だから一緒にやりたいなって。

鳥越組織においてソフトウェアを作る人がいないという話は…
本当そうですね。

今、日本の大手メーカーは、
ソフトウェアの人材を全く育てていないように感じます。

私がよく考えるのは、
ソフトウェアだハードウェアだって言った時に、
人間に例えるならば、ハードウェアは見た目で、
ソフトウェアは心とか精神とか…内面だと思うんですよね。

ちょっと前までは、ロボット的な外身がちゃんとあれば、
皆それを喜んでいたんですけど、気付いちゃったんですよね。
これまで作ってきたロボットって…「中身」がないって。

外身だけあっても、
話をしても全然面白くないとか、意思疎通ができないとか。
そんな状況になっていると感じています。

本当に大事なのは、先に中身、内面なんですよね。
まずソフトウェアだと。
その後に外見とかは生まれてくるのであって。
見た目だけというのは、「魂がない」というような状況ですよね。

それで今回、JARVISでやりたいと思っているのは…

JARVISは魂そのものなんですよ。

魂の周りに、
動きとか表現とか、個性とかっていうソフトウェアの部分が生まれて、
その後、JARVISが住む一時的なハードウェア…
中のソフトウェアを体現する形で、ハードウェアが生まれてくるっていう、
そこまでいきたいと考えています。

ZEPPELINの全パワーをかけて取り組んでいきたいと考えていますので、
そこにぜひ、田子さんも本格的に入っていただきたいです。

田子(笑)

鳥越本日は、本当に有難うございました。

※JARVISプロジェクト
ZEPPELINの自社事業で、新しいオーガニックなインターフェースの開発をしているプロジェクト

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ZEPPELIN Inc.

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