UXなんて、当たり前のはなし。第4回「UXなんて当たり前」

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第4回 UXなんて当たり前

田子學(アートディレクター/デザイナー)

株式会社東芝デザインセンター、株式会社リアル・フリートを経て、2008年株式会社エムテドを立ち上げる。現在は幅広い産業分野のデザインマネジメントに従事。デザインを社会システムの一部として大いに活用してもらうことをモットーに、様々な要素の関係性を統合的に捉えた戦略によって、個別最適化ではなく全体適正化が成り立つコンセプトメイクからブランドの確立を視野にいれてデザインされています。
GOOD DESIGN AWARD、red dot design award、JDCAデザインマネジメント賞など受賞作品多数。
現在は、慶應義塾大学大学院SDM研究科 特任教授、法政大学デザイン工学部 非常勤講師、東京造形大学デザイン科 非常勤講師を務められています。

鳥越私たちは、自社のことを
「UXデザインコンサルティングファーム」と名乗っていますが、
最近、この「UX」という言葉がバズワード的に出てきていると思うんです。

田子さんは「UX」「ユーザー体験」って、
どういうことを指していると思われますか?

田子実は…僕にとってのUXっていうのは、
一部分でしかないんですよ、残念ながら。

UXっていう言葉は、最近こそよく色んなところで取りざたされているけれど、
仰るように、バズワードになっちゃっていますよね。

僕の考えなのであれですけど…

デザインを考える上で、UXなんて、あって当たり前のはなし。
と思っています。

鳥越(笑)
いや、もう思いっきり言ってください。(笑)

田子僕は、UXと言っている人程UXを分かってないんじゃないかっていうのが、最近気になってしょうがないんです。
UXっていう言葉に踊らされているような気がして、たまらないんですよ。

UXという言葉が広がる前から、老舗旅館が予約いっぱいの状況が続いている…
っていうのは、見えないUXが本当に良い形でお金に変わっているからですよね。

本質をたどれば、「おもてなし」っていう言葉だって…
最近「おもてなし」っていう言葉が出てしまっているから、すごい嫌なんだけど…

言葉に出してしまったらおしまいだと思うんですよね。
「おもてなし」って。

鳥越(笑)分かります。

田子言わないから、おもてなしの価値があるのに。
「おもてなし」という心遣いというのは表に出さないから良いんですね。
つまり「表無し」。(笑)

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田子それと一緒。
だからUXも、本当は、「UX」なんて言わなければUXとしての価値があるのに…
僕はそれがすごく言いたくて。

デザインマネジメントでいうと、
UXというのはコーポレートレイヤーというところに入っていて。
会社が担う、その会社ならではのブランド体験っていうのは、
インターフェースにしても、物にしても、それがサービスになったとしても…
全部跳ね返ってくるのは会社なんですよね、経営者だったり。

だから、その会社が本質的なことをちゃんと事業としてやっていれば、
それはもうUXとして成り立っていると思うんです。

『こうした方が良い、ああした方が良い』っていうのも必要なんだけど、
本質を探れば見えてくる話。
むしろ、それってデザインとしては普通にあり得る話で、
普通の業務だよねって言いたくなっちゃう。

別に特別な事でも何でもない、だから…ごめんなさい。

鳥越いや、大丈夫、大丈夫です。(笑)
本当そうなんですよ。UXをなんで説明しなきゃいけないんだろう…っていうケースも結構あって。

田子SDM(※1)に関わっているから誤解されたくないけど…
実は「デザイン思考」っていう言葉が大嫌いなんですよ。

鳥越(笑)

田子デザイナー的な思考を活用しましょうという狙いを、
デザインを正しく理解していない人に対して使う言葉としてはアリだと思うけど、本質はそこではない。
さらには世間がキャッチーな言葉として過剰に使いすぎているから、
厄介だなと思うんですよね。

言葉としてもおかしい。
デザインには思考のプロセスが当然入っているから、
「デザインデザイン」、「思考思考」って言っているようなもの。
システムは分かります、システムと思考はちょっと違うから。
それは良いんだけど。

「デザイン思考」は無いだろうって。
いずれにしても、デザイン思考とかイノベーションとか、
言葉だけが一人歩きしているし、使いすぎると劣化する。
すると、本質に到達するまえに一過性のブームで終わってしまう。
こういうことを招きかねないという部分で嫌悪感を感じる訳です。

鳥越(笑)ゴロが良いですよね、「デザイン思考」って。
よく考えられているような気になってくる…

田子業界によっては、こういう言葉を作りたがる人もいるんですよね。

結局言葉一つに踊らされてしまって、
本質が分からなくなっちゃうっていうのは問題だと思います。

UXなんて、ちょっと前まではあまり聞かなかった言葉なのに、
今は、本屋に行ったらUX関連本が、大量に出ていて。
むしろ難解にさせてしまっている気がしますね。

UXって、日本の老舗旅館に行けば、1番分かるんじゃないかって、
普通に思うし。(笑)

鳥越UXなんてあって当たり前だから、誰も理解できないし。

だからもう、UXというのは、
旅館に行って、1番最高の瞬間ってあるじゃないですか。

出迎えてくれたときに、なんかいろんな物事が同時に揃うんですよ。
庭の綺麗さとか、雨が降っていたのが丁度上がって、
すごい綺麗になってたりとか、女将の話し方とか…
そして、疲れを感じていたところに、温泉に案内される瞬間。

そういうことをZEPPELINでは「UC」(※3)と呼んでいて。
User Ecstasyの略語なんですが。

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田子(笑)

鳥越ちょっと頭おかしい感じにも受け取られてしまいそうですけど、
「UC」の方が、実際伝わりやすかったりもするんですよね、
『なるほど、UCかぁ』って…

話を戻すと、面白い話があって。
ジョブズか亡くなった後、半年か1年後くらいに、
Appleが「Designed by Apple in California」という動画を作ったんですよね。Appleのデザインは、こんなに考えられて作られている…みたいな。
それがAppleファンから激怒をくらっちゃって。
『Appleだから、デザインにこだわっているのは当然だろう』と。
『それをいちいちマーケティングするっていうのは、今までのAppleじゃない!』って。

ジョブズはずっと製品そのもので伝えてきた人だから…
ずいぶんひっくり返しちゃったんです。

田子分かる、分かる。

鳥越これも近いですよね。

田子さんは今、「システムデザイン・マネジメント」を慶応の学科で教えていらっしゃるそうですが、
どんな学生にどんな内容を教えていらっしゃるのか少しお伺いしたいのですが…

田子学生は、非常にバリエーションにとんでいて、
約7割くらいが社会人です。

もちろん新卒もいますが、どちらかというと社会人が多く学んでいるので、
実社会のプロジェクトに取組んでいるような感覚に近いかなと思います。
年齢も職業も多様で、
役員クラスの人も皆と同じように学びにきていたりするのも特長です。
SFC(※4)を卒業してSDMに来ている人たちも多いですね。

特にSDMが面白いのは、
実践型のプロジェクトを多くこなしているところだと思います。

鳥越へぇ…

田子ここから更に踏み込んだ話は、xxxx…(笑)

鳥越成る程、実際に入学してからのお楽しみということで…
UX的に…ここから先の対談文章を全部真っ黒に塗っておきましょう。
『あぁ、見えない…』みたいな。

(笑)

鳥越『一体どんな対談なんだ…』って、読んでいる方が気になっちゃう様な…

(笑)

田子音声の場合だと、ピーって 。

鳥越『あぁ、ちょっと田子さんに会いたくなってきた…』
みたいな衝動が起こりますよね…
とても気になる心が高揚する感覚、これが「UC」です。

(笑)

※1 SDM(System Design and Management)
慶應義塾大学 システムデザイン・マネジメント研究科
※2 慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科委員長・教授
※3 UC(User Ecstasy)
ZEPPELIN独自の概念で、UXの中でも頂点にある最高に心揺さぶられる体験のこと
※4 SFC(Shonan Fujisawa Campus)慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス

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